保養相談会&保養体験談
塩谷町で開かれた「保養相談会」に参加しました。最初は「私達より高い線量の場所に住んでいる方もたくさん居るのに自分たちが保養に行っても良いものか…」と考えていましたが、相談会の方が「まず、行ける方が行き、周りの方に保養というものを伝えて欲しい」と言って下さり、長野県に保養に行くことにしました。
福島から長野県松本市に移住されたお母さんが立ち上げた「手をつなぐ311信州」のシェアハウスにお世話になり、皆さんに温かく迎えていただきました。千葉や埼玉から保養に来た方々と一緒にご飯を食べ、ゆっくり語り合い、泣いたり笑ったり…楽しい時を過ごしました。
滞在中、松本市にある「チェルノブイリ基金」のご支援で、信州大学病院で子供の血液検査と触診による甲状腺検査を受けることができました。
また、息子は大町市の「アースディ大町キャンプ」に参加、福島県の子供たちと共に大自然の中でサバイバル生活を満喫させていただきました。2週間も親元を離れて大丈夫か…と心配しましたが、迎えの時久しぶりに会った息子はすっかり日に焼けて逞しく見えました。
「キャンプで一番辛かったのはなに?」と聞くと「福島の子供たちとの別れが一番辛かった」と泣いていました。その姿をみて、このキャンプで体験したことが、どれほど息子の心を動かし成長させていただいたかがわかり、涙が出ました。
長野県では行政も支援に取り組んでいます。夏休み中は学校教育科の研修宿泊施設を、重点汚染調査対照地域に指定された市町村の住民に無料で貸してくれています。
保養で得たものは体の休息だけではありません。命を守るために一生懸命取り組んでいるたくさんの人たちの姿、大自然の中で福島の子供たちと語り合った体験…全てが心の栄養となり宝となりました。
いつか息子が大きくなり何かを変えようと一歩踏み出す時、この体験が背中を押してくれると思います。
お世話になった保養相談会と保養先の長野の皆さま、本当にありがとうございました。
塩谷町在住 Aさん